越後の奇祭・むこ投げすみ塗に参加してみた/十日町市

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FMとおかまちの佐藤広樹です。

十日町市では越後の奇祭と呼ばれる行事”むこ投げすみ塗り”が、毎年1月15日に松之山温泉で行われています。

”むこ投げ”は前の年に結婚した婿を、松之山温泉奥のお堂が建つ約5mの崖の上から投げ落とす行事です。と書くとなんとも荒々しい行事ですが、今は結婚の祝い事として行われています。

むこ投げの起源は諸説あるのですが、昔よそ者に地元の娘を略奪婚され、地元の若い衆が腹いせに行ったとも言われています。

婿さんが投げられ転がり落ちてくる狭い崖下には、観光客やカメラマン、20社以上のマスコミが数十人も待ち構えています。良い撮影場所を確保しようと、早い人は2・3時間以上前から場所取りをしているので、始まる頃には寒さで震えています。

それでも夕暮れが近づいた頃、公募で選ばれた3人の婿さんが地元の若い衆に担がれて崖の上のお堂まで運ばれてくると、会場は熱気に包まれます。

そしていよいよ威勢の良い掛け声とともに婿さんが投げられると、一斉にカメラのフラッシュが光り歓声が上がります。

投げ落とされた婿さんは雪の崖を転げ落ち、怪我をすることもなく雪だらけになりながら、崖下で心配しながら待つ嫁さんのもとに辿り着きます。

お互い心配が大きい分、無事に終わると夫婦の絆も深くなるようです。

むこ投げが終わると会場を移して”すみ塗り”が行われます。
主役は婿投げに参加した3組の新婚夫婦。

賽ノ神の前で20社以上集まったマスコミの囲み取材を受けた後、新婚夫婦が賽ノ神に火を付けます。
賽ノ神が燃えている間に大量のミカンが撒かれてミカン争奪戦が始まります。

普通の賽ノ神であればこれで終わりなのですが、そこは越後の奇祭と呼ばれるすみ塗り。

ここからが奇祭たるゆえん!

燃え残った灰と雪を手で混ぜて墨を作り、「おめでとう!」の掛け声とともにお互いの顔に塗りまくるのです!この時ばかりは無礼講。

新婚夫婦はもちろん観光客も地元の人も、警備に当たる警察官も真っ黒になるまで顔に墨を塗られ続けます。

すみ塗りは無病息災と稼業の繁栄を祈る行事として約600年前から続いき、顔が黒くなればなるほど幸運が舞い込むと言われています。

灰と雪で作った墨はタオルで拭いたくらいでは落ちないし、とにかく冷えるので帰りは松之山温泉へドボン!とにかく楽しい越後の奇祭でした。